原産地がアルゼンチンとAPGスタンダード牧野植物図鑑に書かれていたので、現地ではなんと呼んでいるのだろうと調べてみたら、”Ipheion”のほか、"Estrella de primavera(春の星)", "Flor de estrella(星の花)"などがあがっていました。和名は、「全草を傷つけると」とニラのような香りがすることからつけられたそうです。野菜の方のニラの花も白くてかわいいので、今度写真を撮ったらお見せします。図鑑ではハナニラはギョウジャニンニクと同じページに掲載されていました。東北地方の郷土料理や、アイヌ語でキトピロと呼ばれる香りの強い野菜です。
むむ、それならば、こちらもひょっとして食べられるの?と思って調べてみたら、フランス語のページがヒットしました。別名「インカのニンニク(Ail des Incas)」と呼ばれ、サラダの香りづけに使われると出てきました。でも、さらに調べてみると、観賞用は有毒なので食べてはだめなのだそう。ニラの一種であるハナニラと、観賞用のハナニラがどうやら混同されているようです。
温室内のアメリカ大陸出身の植物ということでは、写真の(ボケてしまっていますが)キンゴウカン(Acacia farnesiana)、スペイン語で"Clavel del aire"ー風のカーネーションーと呼ばれるチランジア(Tillandsia)などが花を咲かせていました。東南アジア原産の小さな花をつける蘭などもいたるところに… 観光目的の植物園とはちがった、じっくりと植物を観察したい人向けの場所です。
なお、パッションフルーツは生食すると(甘)酸っぱいものですが、グラナディージャにはとても甘いものがあって、果皮は黄色からオレンジ色のP. ligularisに当たるそうです。*6 アコスタが上の文章のつづきに、その味は「甘い。甘すぎると感じる者もある(es dulce, y a algunos les parece demasiado dulce) 」と書いているグラナディージャは、どうやらこれのことを指しているのではないかと考えられます。