つくづく名づけの妙を感じるのですが、「松葉牡丹」と書かれて外来の植物だとは思いにくいですよね。葉の形を松葉に見立て、小さいけど華やかな花をボタンに見立てたのはどこのどんな方だったのでしょう。けれどこれもアメリカ大陸原産の植物。
手元にある『ハンディ版 入門歳時記』*1にはこう書かれていました。
スベリヒユ科の一年草。ブラジルが原産だが、十九世紀前半にヨーロッパへ渡り、ほどなくオランダ船によって日本へも入ってきた。こぼれ種で毎年咲く美しく丈夫な花なので、今やいたるところで栽培されている。紅色または紫紅色の花がふつうだが、園芸品種には白や黄などがあり、八重咲きのものもある。真夏の晴れた日の日中だけ開き、午後二時ごろにはしぼむ。(中略)乾燥気味の土地を好み日照りに強いので日照草、また爪で茎を切って土に挿しても根づくので爪切草ともいう。
もう真夏ではないと思うのですが、ぎらぎらと太陽が照りつける近所の花壇で元気に咲いていました。今日は10月12日。約530年前のこの日、コロン(スペイン語でコロンブスのこと)がアメリカ大陸の島の一つに到着していなかったら、この花との出会いもアメリカ大陸の植民地化もなかったのかもしれません。
公園などでおなじみのこの草も、オランダから来ました。