沖縄に行ったのは比較的遅くて20代も半ばでしたが、それから何度か行く機会がありました。今月初め、知り合いが関わるお芝居の上演があり、たまたま資金があったこともあり(以前入っていた生協の積立金がまとまった金額になっていた)行ってきました。あまり時間もなかったし、長距離の移動もしたくなかったので、モノレールとバスをほん少し使う程度の範囲で動き回りました。モノレールの赤嶺駅前で見たモモイロノウゼン ノウゼンカズラ科タベブイア属 Tabebuia pallida。
花がもっとたくさんついていたら壮観だったでしょう。そこそこ大きな木です。3~4メートルの高さでした。カリブ海地方原産とのこと。
何度目かの沖縄で気づいたのが、中南米と同じ木が存在しているということでした。初めてそれに気づいたのはイペーの花を見たときです。こちらは2018年にアルゼンチン北部のトゥクマン市で撮った写真ですが、アルゼンチンではラパチョ、ブラジルではイペー(国花なのだそう)と呼ばれています。この花がキバナイペー(ノウゼンカズラ科ハンドロアンサス属 Handroanthus chrysotrichus)として沖縄でも愛されていて、沖縄から南米に移住した人たちの子孫が来日し、沖縄を訪れた際、懐かしくご覧になることもあるようです。
その後、幹がとっくりのような形をしているトックリキワタ(現地名 パロ・ボラッチョースペイン語で「酔っ払いの木」)やハカランダ*1を持ち込んだ沖縄出身の農業技術者*2の方がいたという話をwikipediaでみて、今回も街中で何か発見できたらいいなと思って那覇市内を歩いていたら、街路樹としてこんな木がありました。(旭橋のバスターミナル付近)ある程度古そうな通りには大きな木が、新しい通りには細い若そうな木がありました。
花はもう終わってしまっていたようで、羽根のような葉がもしかしてハカランダ?と思ったのですが、実の形がちがっていました。いったいなんの木だろうと気になっていたところ、ふと立ち寄った書店で見つけた植物図鑑が名前を教えてくれたのです。
この木は真っ赤な華やかな花をつけるホウオウボク(マメ科ホウオウボク属 Deloniz regia)でした。マダガスカル原産で「世界中の熱帯に植栽され」「同じく赤い花が目立つカエンボク」「紫の花のジャカランダ(沖縄ではまれ)とともに、熱帯の世界三大花木に数えられる」(同書295頁)そうです。
偶然出会ってしまったこの図鑑、お財布にはかなりの打撃でしたが、今年の9月に発行されたばかり。豊富な写真によって、花や実、葉の形から植物名を調べられる引きやすさ、そして地元(主に沖縄本島、伊江島)出身の方の植物にまつわる思い出や経験などのコラムが収録されています。日系ブラジル人の方によるキバナイペーの思い出もありました。読みながら、まるで現地の方たちといっしょの観察会に参加しているような楽しさを感じました。というわけでこの図鑑を頼りながら、今回の旅で見た沖縄の植物を紹介したいと思います。(つづく)
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