南米植物文化研究ノート

南米の植物にまつわるあれこれ。個人的な研究の記録です。

沖縄の植物たち(3) これでおしまい。

 すっかり間が空いてしまいました。ほぼ二か月たちましたが、11月初旬の沖縄で見た植物たちの報告をつづけます。

 

 道端で最初に目に入ったのは右の実。何かな?と思って目をこらすと、優雅なサガリバナでした。(バスターミナル前) 沖縄県営鉄道大正3年開業)の転車台の遺構*1そばでした。戦前の沖縄には鉄道が存在したのですが、その後モノレールができるまで鉄道は敷設されませんでした。

 

 同じく街角の植え込みで見た月桃ゲットウ。沖縄のことばではサンニン、ムーチーガサなど)。衣類の虫よけやアロマオイルにも使われる有用植物で、旧歴の12月8日に健康・長寿を願ってこの葉で包んで蒸した餅(ムーチー)を食べるそうです。そういえばアルゼンチンでお邪魔した友人宅の庭にもこの植物がありましたが、偶然だったのでしょうか。友人の母方のご先祖は沖縄から移住してこられた方でした。

 

 青空に映えるポンポン状の花が可愛いけど繁殖力のつよい銀合歓。中米~メキシコ原産。小笠原諸島八重山諸島には人為的に持ち込まれ野生化したそう。*2 夜は眠るように葉を閉じることから沖縄ではニブイギ(眠る木)と呼ばれるそうです。オジギソウにも通じるネーミングですが、「眠る木」のほうに私は詩情を感じます。この植物、ギンネムのほかにギンゴウカンという呼び名がありますが、そういえば一昨年の年末に訪れた小石川植物園の温室にはキンゴウカン*3がありました。黄色と白の花を金銀に見たてるのはよくありますね。なお、沖縄にはボリビア原産のオオベニゴウカン(花は赤または白)、ピンクの花をつけるスリナムゴウカンがあるけれど、ネムノキは分布していないそうです。*4

 

いたるところで見かけたサンダンカ類のベニデマリ。鮮やかな朱色が印象的です。

 

四階建て?の建物の壁面を覆いつくすベンガルヤハズカズラ

近くで見たらこんなに可憐な花だけど、たくましい!

 

 ほかにもたくさんはじめましての花を見かけましたが、すべてを紹介するのは無理なのでこのあたりで… 今回偶然見つけた図鑑がなかったら、名前もわからなかったものも多かったと思います。またいつか図鑑を手に旅してみたいものです。

 

▼図鑑については、こちらの記事を。

plantasderosita.hatenadiary.jp

 

小石川植物園のキンゴウカンについてはこちらを。

plantasderosita.hatenadiary.jp